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2024/05/30 Q&A
目次
不動産投資の成功において大切なのは、長期を見通した安定経営です。そのための方法の1つとして、出て行くお金、すなわちローン金利を定期的に見直す必要があります。
今は低金利が続いていますが、経済の動向によって金利は変動していくもの。金利の見直しで、他の金融機関に借り換えた方が良い場合も出てくるかもしれません。
ここでは、借り換えのメリットデメリットのほかに、借り換えの際の注意点を解説していきます。
ローンの借り換えとは、現在借り入れている金融機関にローン全額を返済し、別の金融機関から新たに融資を受けることです。
現在の金利よりも低い金利で融資を受けることができれば、毎月の支払額を抑えられるため、投資利回りの改善も期待できるでしょう。さらに、利回りが改善されることで次の収益物件への投資スピードを速めることも可能です。
例えば、以下の条件でローン返済額を計算します。
■1000万円、35年返済、金利2%
毎月返済額 3万3,126円/総返済額 1,391万2,920円
■1000万円、35年返済、金利1%
毎月返済額 2万8,228円/総返済額 1,185万5,760円
1%の金利の変化で返済総額の差は200万以上。返済期間が長くなる分、金利の影響は非常に大きなものとなります。
借り入れ金利は低いに越したことはありませんが、一方でデメリットも……。
続いて、ローンの借り換えにかかる諸費用を解説していきます。
ローンを借換える際には、現在借り入れているローンを全額返済しなければなりません。全額返済には手数料がかかることが一般的であり、手数料は金融機関によって異なります。
返済残額の◯%としているところでは、残額が多いほど手数料が大きくなるため注意が必要です。
そして、別の金融機関で新たにローン契約を組む際に、以下の諸経費がかかることになります。
・収入印紙
……ローン契約書に貼付する収入印紙税。
・保証料
……保証会社に支払う保証料。必要ない金融機関もある。
・事務手数料
……定額の場合や、借入額の◯%など、金融機関によって異なる。
・抵当権設定費用
……ローン抵当権を新たに設定するための費用。
・抵当権抹消費用
……従前のローン抵当権を抹消するための費用。
・団体信用生命保険料
……金融機関によって保険料が必要ない場合や、金利に上乗せされる場合がある。
・火災保険料
……金融機関によっては必要ない場合もある。
借入額や返済年数、借り換えする金融機関によって異なりますが、総額で数十万円になる場合もあるので、結果的に返済総額が軽減されるのかは慎重に検討する必要があるでしょう。
これらの「従前に借り入れていた金融機関への費用」と「新たに借り入れる金融機関への費用」は、自己資金で賄わなければなりません。
諸経費分もローン金額に上乗せできるケースもありますが、やはり従前のローン金利と費用をトータルで比較する必要があります。
金利の低い時期が借り換えのチャンスではありますが、そもそも自己資金が用意できない、空室が続いており経営状態が不安定な場合は、まず空室対策に力を注ぎキャッシュフローの健全化を最優先にしましょう。
借り換えでは別の金融機関から新たに融資を受けるため、当然ですが、審査が必要となります。ここで注意したいのが金融機関ごとに異なる審査基準です。
金融機関には、都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンクなどさまざまな種類があります。借り入れ金額の範囲や期間などそれぞれ制限がありますが、注意したいのは借り入れ対象不動産の所在地が限定されている場合です。
例えば、地方銀行や信用金庫、信用組合では、決まったエリア内に不動産が位置していないとそもそも融資対象外となってしまいます。
また、ローンの条件に団体信用生命保険に加入が義務付けられている場合、健康状態によって加入できないと審査を通過できません。
他にも、勤続年数や年収など、公開されている各金融機関のローン条件はしっかりと確認しておきましょう。
定期的な金利の見直しは、自身の属性を見直すことにもつながります。
例えば、「勤続年数が以前よりも長くなった」、「年収が増えた」、「結婚して配偶者ができた」などはプラスに評価されるため、より有利な金利での借り入れができる可能性が高まります。
一方で注意したい属性の変化は、「転職して間もない」、「年収が減った」、「離婚して単身者となった」などですが、さらに「不動産投資ローン以外の借り入れ額」にも注意しましょう。
例えば、新たに車をローンで購入した場合や、居住用の住宅をローンで購入した場合などです。
収入におけるローン返済額の割合である「返済比率」が収入に対して高すぎる場合、いかに賃貸経営がうまくいっていても、金融機関は新たに資金を貸すことに躊躇します。
既存のローン返済額が、自身の収入の30~40%を超えている場合は要注意でしょう。
物件購入の借り入れ時よりも、現在属性が向上しているのであれば、より低い金利で借り換えができる可能性は高まります。
この場合、現在借り入れている金融機関に金利を相談するのもいいかもしれません。同じ金融機関と付き合いを続けることは、今後の借り入れの実績として重宝されます。
ここまで借り換えの際の注意点を解説してきました。定期的な金利の見直しは必要ですが、いざ借り換えとなると時間・資金・労力がかかることは心に留めておきたい点でしょう。
そもそも高い金利での借り入れを避けることができれば、その後の賃貸経営に安心して臨むことができます。
金利を低く借り入れる方法の1つに、「提携ローン」があります。個人の属性だけでなく、提携する不動産会社の信用力もプラスされるので、より有利な金利で組めるローンです。
不動産会社では、その他融資に関する最新情報も入ってきますので、ローンの相談や属性についての相談などをしてみるのは有効でしょう。
【筆者:ワイズアカデミー(株)】
2020.6.20掲載記事
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