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日経平均株価と不動産価格の関係

2024/05/04 不動産投資

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日本の経済に大きな影響を与える日経平均株価。日経平均が変動することで、一見関係のなさそうな業界にも影響が波及していきます。では、不動産価格はどうでしょうか?

 

結論から言うと、不動産価格も株価に連動する傾向があります。不動産価格の変動要因にはどのようなものがあるのか、株価とどのような相関関係があるか、それぞれ理解することができれば無闇に恐れることはありません。

 

 

ここでは、株価と不動産価格の関係を読み解いていきます。

株価にやや遅れる形で不動産価格は連動する

コロナショックで2020年の2月から3月にかけて日経平均は大きな下げ幅を記録しました。海外渡航制限や自粛要請が重なり、特に旅行観光、飲食、エンタメ業界に大きな打撃を与えています。

今後、コロナショックが経済に与える影響はさらに広がっていくとの予測がされていますが、不動産への影響はどうなるのでしょうか?

 

その前に、まずはこれまでの株価と不動産価格との相関を見ていきましょう。

 

※不動産価格指数は2010年のマンション(区分所有)価格平均を100とした数値。日経平均は月末の終値を表示。

 

国土交通省が発表しているマンション価格指数と日経平均は緩やかに連動していることがわかります。要因としては、株価が上昇することで投資余力が増し、不動産の購入にいたる人が増加。それに伴い不動産価格が上昇すると見られています。

 

 

不動産の売買では売却を決めてから買い手に渡るまで、早くても3ヶ月、通常ですと6ヶ月ほどかかるのが一般的です。株式相場よりも流動性が低いため、株価より遅れて連動していくと考えられています。

日経平均株価を軸とすると今後不動産価格はどうなるのか

4月14日のIMF定例世界経済見通しにおいて、「1929年の世界大恐慌以降で最悪の経済危機」とゲオルギエバ専務理事は発言。世界経済の2020年成長率は、1月の見通しから6.3ポイント低いマイナス3.0%と下方修正されました。(世界金融危機が起こった2009年の成長率はマイナス0.1%)

 

では足元の日経平均株価はというと、3月19日に1万6,358円の最安値を記録した後、5月に入ってからは2万円前後で推移しています。

 

東京証券取引所のデータによると3月から5月初旬まで継続して売り続けている多くは外国人投資家たち。そして、買い支えているのは日本銀行と信託銀行であることがわかります。

そのため、今後の実態経済の動向を示しているとは言えませんが、これからの経済対策やコロナ収束までの道筋が見えてくれば安定してくると見られています。長期的に見れば日本株は割安となっており、買い場であると分析する投資家たちは多いようです。

 

 

不動産価格は株価に半年から1年ほど遅行して連動していくことを考えると、これから少しずつ下がっていくことが予測されます。

 

ただし、株価と不動産価格指数のグラフを見てもわかるように、不動産価格が急激に下落するとは考えにくいでしょう。株価は1日、1時間、数分の短時間で上下しますが、不動産価格の変動は数ヶ月単位で変動していきますので、焦らずに見極めていくことが大切です。

マンション価格のこれまでの変動要因

2013年に入ってからマンション価格は上昇し続けています。その要因は以下のように考えられています。

 

 

・2013年の金融緩和により、2016年にはフラット35の金利が1%下がる。ローン返済総額が安くなったため住宅を購入できる人が増えた

 

・2013年の東京オリンピック決定後、外国人投資家からの首都圏投資用不動産人気が上昇

 

・首都圏を中心とした大都市圏の人口増加

 

 

国の政策・大きなイベント・人口動向などが、長期的な不動産価格に影響を与えます。しかし個別の取引となると、「家賃」と「家が欲しい人」の需要により価格が決まる側面が大きいです。

景気の悪化により、これから新たに居住用住宅を購入する人は減ることが予測されますが、住まいの需要がなくなるわけではありません。

 

では、賃貸物件の家賃は景気によって変動するのでしょうか? 続いて株価と家賃の関係について見ていきましょう。

家賃は景気にほとんど左右されない

東京圏のワンルームマンションの平均家賃の推移と株価を表したグラフは以下のようになります。

 

※参考:公益財団法人不動産流通推進センター「2020不動産業統計集」

 

株価の変動に対して、家賃にはほとんど変化がないことがわかります。家賃は築年数を経るごとに下落していくことが一般的ですが、家賃相場に対して著しく下落していくことは稀です。

定期的に維持管理を行っているマンションであれば、ほぼ横ばいで推移していきます。

不動産投資の王道は安値で買って長く持つ

家賃はそのままに不動産価格が安くなるということは、利回りが向上することを意味します。

例えば、月家賃7万円(年84万円)の収益不動産の価格が1,500万円だとすると、利回りは5.6%。不動産価格が1200万円に値下がりすれば、利回り7.0%となります。

 

1.4%利回りが違うと、物件価格を回収できる年数に3年以上の開きが出ます。投資効率を考えると、非常に大きな差となることがわかるでしょう。

 

 

不動産投資の王道は、物件を安く購入し安定経営を目指すこと。キャッシュフローが多ければ、資産拡大スピードを早めることもできます。

景気低迷の局面ではありますが、不動産投資をはじめる絶好のチャンスとも取れる今後の相場。株価の動向とともに注目していきましょう。

まとめ

株などの変動がある金融資産と、緩やかに価格変動する不動産の関係性について見てきました。

「卵は1つのカゴに盛るな」と投資の世界ではよく言われます。特定の投資だけではなく、複数の投資に分散することでリスクを抑えることができることの例えですが、その1つとして不動産は大きな役割を発揮することが期待できます。

 

 

ピンチをチャンスに変えるには、やはり日頃の準備が大切。小さな行動や勉強の積み重ねは今からでも遅くはありません。まずは、情報を集め、話を聞きに行動することからはじめてみましょう。

 

【筆者:ワイズアカデミー(株)】

2020.6.21掲載記事

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